富士登山の参加基準
体調不良による遭難を防ぐために
ガイド登山だからすべてが安心、というわけではありません。ガイドが防ぐことができない大きなリスクが存在します。それは「お客様の疾病リスク」です。富士登山は運動強度が大きく、運動不足や既往症がある方は、心筋梗塞を引き起こす可能性があります。登山中の心筋梗塞は応急処置に限度があるため、命を落とす場合がほとんどです。また、ご持病の悪化による歩行困難は、低体温症を引き起こす可能性があり、致命的なリスクになります。これらは、未然に防ぐことが非常に重要で、当ツアーでは参加基準を設けております。登山経験や運動習慣など個人差がある中で、一律の基準を設けることに心苦しさもあるのですが、安全なツアー運営のため、ご理解をお願いいたします。【2025年1月更新】
【お願い】当ツアーでは、これまで、お客さまの体調不良によって遭難になりかけた事例がいくつかあり、いずれも正しく申告されていれば防ぐことができたものばかりです。ご健康状態の正確なご申告をお願いします。
ご年齢
- 運動習慣がない:45歳まで
- 運動習慣あり:60歳まで
◎ジョギング・筋トレなど(週2日以上)や登山・ハイキング(月3回以上)など強度の高い運動に限ります。 - 過去に当ツアーご参加歴があり、ガイドがお客様の健康状態や登山レベルを把握できている方:70歳まで
- 15歳未満の方はご参加になれません。
ご参加条件(お申し込み時点)
- 過去1年以内に健康診断を受診していること。
- BMIが25(※1)を超えないこと。
- 血液検査の結果が基準値(※2)を超えないこと。
- 高血圧でないこと。降圧剤でコントロールされている場合もご参加になれません。
- 狭心症や心筋梗塞の既往歴がないこと。治療薬のワーファリンや頓服薬のニトログリセリンなどを処方されている場合もご参加になれません。
- 脳卒中や大動脈解離の既往歴がないこと。
- 脂質異常症でないこと。治療薬のスタチンなどでコントロールされている場合もご参加になれません。
- 痛風の既往歴がある方は歩行困難になるリスクがあるためご参加になれません。
- 膝痛や腰痛がないこと。
- 発作が起きるご持病がないこと。
- 心電図で不整脈等の問題がないこと。
- 腎結石や尿路結石の疑いがないこと。
- 睡眠時無呼吸症候群の方はご参加になれません。
- 下肢静脈瘤の方は肺塞栓症のリスクがあるためご参加になれません。
- 治療中のご病気(喘息など)がある場合は、必ずお知らせください。
- その他、登山に不安なご持病(特に循環器や呼吸器)がある場合はご相談ください。
※1 BMIの計算
BMI= 体重kg/身長m/身長m
※2 血液検査の基準値(富士登山)
- BMI:25以下(BMI=体重kg/身長m/身長m)
- 空腹時血糖:110mg/dL以下
- HbA1c:6.0%以下
- 血圧:収縮130mmHg以下
- 血圧:拡張80mmHg以下
- LDL:140mg/dL以下
- 尿酸値:7.0mg/dL以下
医師に相談をしてください
- ぜんそくをお持ちの方。
- 慢性疾患(甲状腺疾患など)がある。
- 治療中のご病気がある。
- 過去に大きな病気・手術をされた方。
申込時にお知らせください
- アレルギーがある(食物・お薬・花粉など)。
- 外反母趾や内反小趾で痛みがある。
- 過去に高山病経験がある。
- 低気圧が近づくと、頭痛や体がだるくなるなど、不調になりやすい。
- 車酔いしやすい。
- 頭痛や片頭痛を起こしやすい。
- 高山病予報薬(ダイアモックス)の服用はメリットが有る一方、利尿などの副作用で逆に登山に支障が出てしまう事も多いです。服用を予定される場合は、アドバイスがありますので、必ず事前にお知らせください。